一度だけでも、後悔してます。(1)自信をなくしている人におすすめ同居百合漫画

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人間関係の始まり方はそれぞれです。くじけた心に乗じてからだの関係を求めたり、求められたりすることだってあります。それを受け入れる受け入れないは本人たちがきめることです。どうなったとしてもそれがいいとか悪いとかではなく、その先にどんな展開が待っているかが大事だと思います。

※ネタバレ含みますのでお気をつけください※


こんな人におすすめ

・上手くいかないことがあった方
・優しい気持ちを感じたい方
・気持ちを隠しながら好きな人のそばにいる方   

作品概要

タイトル:一度だけでも、後悔してます。
作者:宮原 都
出版社:KADOKAwA

あらすじ

職を失い家賃を滞納していた主人公・小塚ちよのもとに大家さんが現れ、滞納分の家賃を支払う代わりに「奉仕をする」という契約を提案される。記憶にないものの酔って大家さんと一夜の関係を持ってしまう小塚ちよ。翌日より、同居すればその間の家賃はなし、1回の奉仕につき滞納分の家賃を1万円減額する契約のもと同居がスタート。からだの関係から始まった女の子同士の関係はどこへ向かうのか。

おすすめ見どころポイント3選

①ちよから大家さんへの奉仕

同居しながら大家さんに奉仕をすることで家賃を減額してもらう契約ですが、料理、洗濯、掃除など何でもできてしまう大家さんなのでなかなかちよの思うとおりに奉仕ができません。しかもちよは料理も苦手そうだし、お皿を洗えば割るし、洗濯ものを干せばつまずいて干したものが落ちてしまうというどんくさいタイプ。でも、ちよが何気なくしたことが大家さんを喜ばせ「奉仕」したことになり、家賃が減額されていきます。どんなことが大家さんの心をつかむのかぜひ見てください。

②ちよのコロコロ変わる表情

ちよはわりとすぐに感情が表情に出るタイプで、表情の変化がとても面白いです。泣いて笑って落ち込んでとても忙しい上にリアクションも大きく、子どもを見ているような感覚になります。

③しっかり者の大家さんの恋心

大家さんは19歳ですが、ちよが住むアパートの大家さん。しかも他にもアパートをもっています。かなりのしっかり者です。そんな大家さんがちよを好きになったきっかけはまだ描かれていません。ただ、ちよには伝わっていませんが「好き」だということは初めのほうにはっきり言っています。感情を表に出さないタイプの大家さんですが、ちよのちょっとした言動にドキドキさせられっぱなしな姿が年相応で可愛らしいです。また、たまに見せる切なげな表情が大人っぽさを感じさせます。そして鈍いちよに遠回しに伝える感情がとても優しく、とても穏やかです。

個人的感想など

職を失って自信を無くしているところに大家さんが現れちよを救ってくれます。からだの関係からのスタートですが、大家さんが提案した「奉仕」の契約は、自信を失っていたちよにとってそれを復活させてくれるものになるんではないでしょか。あなたにも、あなただからできることがあるんだというメッセージを大家さんは伝えたいのではないのかなと思っています。その前提に大家さんがちよのことが好きと言うのがあるからですが。
大家さんの気持ちが早く伝わったらいいなと思う反面、今の関係が見てる側としては心ときめきます。ちよが鈍感で無自覚なので大家さんが苦労していますが、微笑ましく見ていられます。そして、大家さんがちよを好きになったきっかけがすごく気になります。最初の時点でからだの関係を迫っているので、以前から好きだったことは間違いないでしょう。今後どう描かれるのか期待しています。
落ち込んだ心をふんわり、そして少し面白く癒してくれる作品です。